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2020/07/09 15:28
漢方薬とは、生薬組み合わせによって作られた薬
漢方薬の原料を生薬と呼び、草や木、動物や鉱物など、自然にあるものです。
たとえば、「ショウガを食べると体が温まる」といわれますよね。
このような、植物などに備わった力を一つひとつ確かめ、組み合わせてできていったのが漢方薬なのです。
漢方の治療原則は、熱ければ冷まし、冷えていれば温める。
足りないものは補い、多過ぎるものはとり除く。
このようにして、体が本来もつバランスを整えていきます。
組み合わせることで、さまざまな症状にきめ細かく対応できる
漢方薬で使われる生薬は、自然の原料からできています。
生薬が、体に本来備わっている自然な治癒力を助け、病気を治療していきます。
漢方薬は生薬を組み合わせており、症状を根本から改善していくことが特長です。
さらに、個人個人の体質や症状を考慮して漢方薬の処方を決定するため、同じ症状なのに違う処方が用いられたり、違う症状なのに同じ処方が用いられたりすることもあります。
西洋薬には人工的に化学合成された物質がほとんどで、その多くはひとつの成分で構成されており、ひとつの疾患やひとつの症状に強い薬理作用を示します。
それに対し、漢方薬は天然の生薬を使用し、ひとつの処方は原則として2種類以上の生薬で構成されていますので、多くの成分を含んでいます。そのために、ひとつの処方でいろいろな病状にも対応することができます。
また、漢方薬は、病院において検査や画像診断をしても異常がないのに、自覚症状があるというような病気にも向いていると考えられています。
原因の特定できない慢性の病気、体質がからんだ病気には漢方薬が向くことが多いとされます。
しかし、病気の原因が特定でき、原因別の治療が可能な場合や手術が必要な場合、緊急を要する疾患、重症の感染症などには一般的に西洋医学の方がすぐれていると考えられます。
漢方薬と、健康食品・サプリメントの違い
漢方薬と健康食品・サプリメントの違いは、医薬品と食品の違いといえます。
漢方薬はさまざまな症状を改善する、生薬の組み合わせによってできた医薬品です。
一方、健康食品・サプリメントは、ビタミン、ミネラルなど日常で足りない栄養素などを補給する食品です。
病気の治療には効能・効果が認められている医薬品の漢方薬を、日頃の食生活などで不足しがちな栄養素を補うためには健康食品・サプリメントを利用しましょう。
漢方薬の服用方法
漢方薬の剤形としては、
●煎剤・・・生薬に含まれる有効成分を熱湯で煮出す事を「煎じる」といいます。煮出したスープ状の薬汁が「煎薬」といいいます。
●散剤・・・生薬を粉砕して粉状にしたもの。
●丸剤・・・散剤に水分や蜜分を加えて丸い粒状にしたもの。
これらが中心です。
「漢方薬と言えば煎じ薬!」かつてはこんなイメージが一般的でしたが、現在では生薬からエキスを抽出して、顆粒・細粒、錠剤に加工したエキス製剤などが多くなっていて、用途に応じて使い分けが可能です。
剤形による効果の違いはあるのかが気になるところかと思いますが、実はほとんどの場合は大差がなく、剤形よりも、原料の生薬の質によって優劣が決まるといえるでしょう。
漢方薬は、原則として、コップ1杯の水または白湯で飲みます。濃いお茶、ジュース、牛乳、アルカリイオン水などは、薬の吸収に影響して、効果に影響を及ぼすことがありますので、避けるようにしましょう。
他の薬と(西洋薬)併用しても大丈夫?
いくつかの漢方薬を併用した場合や西洋薬の成分が漢方薬と重なった場合、とくにカンゾウ、マオウ、ダイオウ、ブシなどが含まれている漢方薬は注意する必要があります。
詳しくは薬剤師、登録販売者または販売元に問い合わせをしましょう。
2種類以上の薬を同時に服用する場合に問題となるのは、一方の薬の薬効が期待通りに現れなかったり、逆に薬効が増強されたりするなど、思わぬ現象(相互作用)が起きることです。
したがって、2カ所以上の病院や薬局でもらったお薬を自分の判断で併用することは、絶対に避けてください。
漢方薬に限らず、お薬を併用する場合は、必ず、医師、薬剤師または登録販売者に相談しましょう。
服用する適切な時間
漢方薬の飲み方で、まず守らなければいけないのは、決められたタイミングで飲むことです。
漢方薬は薬効成分が吸収されやすいように、食前・食間に服用するという用法が多いのですが、つい飲み忘れてしまう人がいます。
このような人は、あらかじめ飲む時間を決めておくと、飲み忘れが少なくなります。
ちなみに、「食前」とは、食事の前30分から1時間を、「食後」とは、食後30分位までをいいます。
漢方薬の考え方や、さまざまな剤形の種類について、服用する際に覚えておきたい注意点をまとめました。
漢方薬について十分理解し、正しく服用して、その効果をしっかり活かしましょう😊