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2020/10/30 15:19
「糖質抜きダイエット」、「糖類オフ」など、糖は健康を語る上での重要なキーワードとなっていますが、その意味を正しく知ることが大切です。
お菓子やお酒など、糖という言葉は様々な商品において使われています。
◎糖質ってどういうもの?
健康ブームを背景に、「糖質」という言葉をよく耳にするようになりました。
糖質制限というとご飯やパン、麺類などの主食を抜いたり減らしたりするのが定番であり、炭水化物とイコールだと考えている方も多いでしょう。
しかし、細かい定義を見ると「糖質=炭水化物」というわけではありません。
炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものであり、「炭水化物–食物繊維=糖質」ということになります。
糖質は野菜や海藻類などに多く含まれる食物繊維ですが、広義では炭水化物に分類されているのです。
糖質は、体や脳のエネルギー源となる栄養素で、人が健康的に生きていくためには欠かせません。
私たちが日常的に体を動かすことができるのは糖質のおかげなのです。
糖質制限という言葉もあるとおり、「糖質を摂ると太る」と考えている方も多いようです。
これは、過剰に摂りすぎた糖質がエネルギーとして代謝されなかった場合に中性脂肪として蓄えられることから来ていると考えられます。
他の栄養素と同様に、糖質の摂り過ぎはもちろん良いことではありませんが、反対に不足すると身体に悪影響を及ぼすこともあります。
糖質が不足した時の症状としては、疲労を感じやすくなったり集中力が低下したりすることが考えられていますので、十分に注意をしましょう。
糖質の代表的なものにはデンプン、糖アルコール、オリゴ糖などが挙げられます。
◎糖類ってどういうもの?
糖類は糖質に含まれており、広い意味では糖質といえます。
糖質は消化酵素によって、より小さい分子に分解されるのですが、これが「単糖類」や「二糖類」と言われる糖類です。また、砂糖やオリゴ糖、ブドウ糖など、初めから単独で糖類や遊離糖類として存在している食品もあります。
糖類は糖質と同様にエネルギー源となる働きを持っています。
また、食後の血糖値を直接上げる要因にもなるのが糖類です。
糖質と糖類は違うとはいっても、糖類は糖質の仲間ですので同じものとして理解していても間違いではありません。
まとめると、「炭水化物>糖質>糖類」という順番でカテゴリーを詳細化できます。
糖質と糖類は名前は似ていますが、食品表示の部分で糖質と糖類を区別することがあるのでやや誤解を招きやすいのです。
◎「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の違い
消費者の混乱を招きやすいのが、「糖質ゼロ」と「糖類ゼロ」の市販品です。
この違いについて詳しく見ていきましょう。
・糖質ゼロ
糖類、多糖類、糖アルコールなどを含んでいないものを指します。
これはブドウ糖や砂糖などの糖類も含んでいないということです。
糖質を含んでいないのに甘みを感じられる食品も多々存在しますが、糖質の代わりに使用されているのは天然甘味料や人工甘味料と呼ばれるものです。
天然甘味料…ステビア、甘草(グリチルリチン)
人工甘味料…スパルテーム、アセスルファムK、スクラロース
糖質ゼロと書かれているジュースやお菓子でも、こういった甘味料が使われていることで甘みを感じることができます。
ただし、糖質ゼロだから良いというわけではなく、人工甘味料の摂り過ぎで悪影響が及ぼされることも多いので注意したいところです。
ただ、肥満や糖尿病の治療の代替食として用いられることもあり、一概には否定できません。
・糖類ゼロ
糖類は単糖類や二糖類のことを指します。こちらも糖質ゼロと同様で、糖類が含まれていない=甘くないというわけではありません。
糖類ゼロの場合は、代わりに糖類には分類されないオリゴ糖やキシリトールなど、小糖類や糖アルコールを含んでいることがあります。
糖類ゼロが糖質ゼロという意味ではないですし、もちろんカロリーもあるので注意したいところです。
糖質ゼロと糖類ゼロの部分で注意しておきたいのが食品表示に関するものです。
食品表示の基準には検出限界値という考えが用いられており、実際に少量の糖質と糖類を含んでいてもゼロと表記することができる場合もあります。
例えば、食品100g(飲み物なら100ml)の含有量が0.5g未満であれば「ゼロ」として数字を丸めることが可能であり、実際は微量に含まれているということになります。
また、砂糖不使用と書いてある商品は、あくまで砂糖のことであり、砂糖=ショ糖(二糖類)のことを指しているため、他の糖質や糖類を含んでいるものもあります。
砂糖を使っていないからカロリーが低いとは限らないのです。
糖質や糖類には正しい理解が必要です。
体に良くないといわれることの多い人工甘味料も、実際には肥満や糖尿病の治療に使われることもあり、悪とは限らないのです。
糖を正しく知り適切な選び方をすることが、健康への近道といえるでしょう。